こんにちは。日は長くなってきましたが、まだまだ寒いです。
ところで、親戚が聞き書きの講座というのを受け、自分の親から昔の話を聞きだして、一冊の本にまとめる作業をやっているということでした。そうしましたところ、ボランティアの方に来ていただき、ご自分の親御さんに聞き取りをしてもらい、本にまとめてもらった方がいらっしゃいました。
NPO法人 白十字在宅ボランティアの会>聞き書きボランティア講座
人生の先輩であるお年寄りにどう生きてこられたかを語っていただき、聞き手は、その経験、 体験、知識、知恵を後世に伝える橋渡しをします。語り手は、語ることでご自身の人生を振り返 り、幸せな出来事や頑張ってきたことを思い出すことで、生き生きとした表情を見せて下さり、 自分のしてきたことの意義を見出したり、「まだ、やることがある」ことに気づいたりします。 ボランティアが傾聴することが心のケアにもなります。
聞き手であるボランティアは、語って下さる内容から様々なことを教えられます。自分の生ま れる前の社会のこと、先人たちの苦労、生活の知恵などなど。それは「お年寄りがひとり亡くな ると、地域にひとつ図書館がなくなる」と言われるくらい。お聞きしたことを一冊の本にしてお 渡しすることで、ご家族からも喜ばれることがあります。このように「聞き書き」は一方向だけでない、双方向かそれ以上の心の交流をもたらします。
https://www.hakujuji-net.com/hear-write
お年寄りにとってボランティアの方との交流は心の張り合いになり、生き生きとするようになって、いいセラピーになり、また家族にとっても、出来てきた本は、後世に残せる資料となり、先祖調べをやっている者にとっては、意義深いものとなり、一挙両得ですね!!
ざっとネットサーフィンしたところ、看護系の論文に、聞き書きボランティアの効用を研究したものがあり、介護の分野で注目されているようですね。
以前、家族心理学で、ナラティブアプローチとか、ナラティブセラピーとかいうモノが出てきて???でしたが、こういった取り組みがその実例なのかもしれないと思いました。
エリクソンの発達段階説というのがあり、老年期は、統合vs絶望 となっています。統合は過去のいいことも悪いこともすべて受け入れ、その結果英知が生まれますが、過去の悪いことを受け入れないと絶望の状態になってしまいます。うちの母は英知とはならず、不満のまま、人生を通してずっと怒っており、大きな絶望で見事絶叫しながら死んでいきました。
お年寄りが聞きとってもらうことにより、自分語りをし、いいも悪いも受け入れて統合していき、いい人生だったと思える助けにもなるのではないかと思います。聞き書きボランティア、いい取り組みだと思います。